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勝ち組の面々が集った和醸和楽 日本国内における日本酒の販売量は、平成7年に126万2438キロリットル、平成12年には97万7441キロリットル、そして平成17年が71万9336キロリットルと、年を経るごとに落ち込んでいるのが現状だ(合成清酒は含まず、国税庁調べ)。酒類全体の消費量がほぼ横ばいであることから考えると、酒類における清酒の地位が相対的に落ちていることがうかがえる。 危急存亡のときにある日本酒の普及啓蒙に、全国の蔵元と酒販店経営者が手を組み活動を開始したのが、任意団体「和醸和楽SAKEアカデミー」。「日本酒文化の伝承・育成・発信を通して日本の食文化の発展に寄与する」を設立理念とし、日本のコメと水を醸した日本酒をもっと気軽に楽しもうという願いから「和醸和楽」と命名された。 集まった会員は青森から福岡にいたる蔵元20社と酒販店23社の経営者。蔵元有志による同様の団体は全国各地にこれまでもあったが、酒販店も参加するのはめずらしく、かつみな30〜40代の新進気鋭の経営者。とくに蔵元は日本酒愛好家では知らぬ人がいないという銘酒を醸造する“勝ち組”の面々だという。 同会の西田司会長は、青森県で140年つづく蔵元の社長だ。グルメ誌が主催した「うまい日本酒ランキング」の純米酒部門で堂々と第1位を獲得した実力の持ち主。また水野直人副会長も200年以上つづく蔵元の代表をつとめ大吟醸「黒龍」を世に送り出している。斯界の関係者によれば、「西田会長と水野副会長はいってみれば業界内では熾烈なライバル関係にある。この二人が手を組むということだけでも、同会の決意のほどがうかがえる」 乾杯は日本酒でという発想に 西田会長はいう。「たとえば国賓を招いての宮中晩餐会では、乾杯のときにシャンパンが使われます。日本酒で乾杯をするという発想はまったくなく、それだけでも日本酒に対する意識が低いということがわかります。日本酒に対する意識をあげていく、乾杯は日本酒でという発想にしていく。大仰にいえばそれがまさに和醸和楽の活動です」 それはいままで見向きもしなかった若い世代や女性に日本酒の魅力を伝え、ファンになってもらうことからはじまる。1週間に1滴も日本酒を飲まなかった人に1合でもいいから飲んでもらうという、まさにゼロから1にしていく活動なのである。 そのために同会ではさまざまな施策にとりくみはじめた。まずひとつに女性誌とタイアップをして女性向けのセミナーとパーティーを開催した。そこでははじめに「和風文化のおもてなし術」をテーマに講演が行なわれ、そのあと日本酒を楽しむパーティーが。開始こそ日本酒をおそるおそるたしなんでいたOLなど参加者たちも、おいしさに惹かれすっかり日本酒のファンになったという。 また東京・青山にあるキッチンウェアでは、近所の主婦を対象にした日本酒と合う料理教室を開催。チーズと日本酒、グラスと日本酒、日本酒に合うパーティー料理などをテーマに講習を重ねていく予定だ。 それでも課題は数多あるのが現状 まさに試行錯誤を重ねながら、日本酒のおいしさを知らしめていこうとする同会であるが、やはり険難の道を歩むこととなろう。たとえば日本酒自体の価格の問題。おいしい日本酒となれば最低でも1升2000〜3000円はみなくてはならず、ビール、ワインなどに比べても割高感がつのる。それだけでも消費者には敬遠される要因だ。「原料が米であり、コストダウンしづらいことは事実」と西田会長も語る。その他大手酒造メーカーとの関係や酒税のあり方など、考えていかなくてはならないことが数多あるのが現状だ。 日本酒の淵源は縄文時代にまでさかのぼることができるという。まさに日本の文化である。その伝統を受け継ぎ、さらに新しい世代に拓いていくことができるか。新進気鋭の若き経営者が集った和醸和楽の活動は、業界はおろか文化隆盛の命運を担うといっても過言ではない。今後に期待したい。
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